2010年 06月 10日
ブログって何を書けばいいんだろうってはなしです。 そうですよね。 宿題じゃないんだからムリに書くことないんですもん。 わからなくなったらスタートラインにもどりなさいって(ヒッチコックがトリュフォーのインタヴューの中で言ってた) スタートラインは、やはり告知でした。 この未曽有の経済危機のなかでなんとか生き残らなければ工房丹という存在を世に広く知らしめねば! つくった家具の写真をいっぱいカッコよく見せよう どうやってつくってるのかその途中も見せよう でも工房丹はなんでもやりますトライしますのなんでもやで自分でデザインしているわけでもないからあまりポイントがない。 ここ数年は無精して写真も撮ってない。 うーん でもこれだけは避けたい 偶然見られてもすぐネットサーフィンされるようなのは避けたい HPがないからといってあんまり商売っ気まんまんでセンスないようなのはヤだ。 偶然見てついつい写真眺めちゃったりついついことば読んじゃったりするようなのがイイ あのヒトのあんなblogやこのヒトのこんなblogの、ような。 ものすごくセンスないこと書いてるみたいでおそろしくなってきた。 こんなことだれもがこころの中で処理していることであってわざわざ書くべきことじゃない。 オレってほんとヒマ。 ようするに、 ヤリたいようにヤッテみたら、ってことですよね神さま。 結局、自分が見たいもの読みたいものしか 書けないんだから でもここまで書いたから書いてしまう。 こんなもの見てる人いるんだろうか。 何人かの知人は見たといってくれたけれど、 だらだらとこんなこと書いてると飽きちゃって見てくれなくなるかしら。 HPは閲覧者がどのくらいいるかわかるみたいだけど、 パソコンのこともネットのこともろくにわからないので、blogでそれがわかるのか知りません。 なんかサビしい ブログってつまるところジコマンゾクなのでしょうか。 じつはここからが本題です。 白石一文という作家がいます。 好きな作家で何冊も読んでいますが、彼が「ほかならぬ人へ」という小説で直木賞をとりました。 ぼくも読みましたが、読み始めてすぐ引き込まれ、いっきに読み終えました。 おもしろいんです。物語の中にはいりこんでしまう。 感情移入という言葉がありますが、なかば夢中で読み進めるわけですから、 やはり登場人物のだれかになったつもりで読んでいるのかもしれない。 彼は人生の中でもっともヒリヒリと痛いぶぶん、ひととひとのつながりを書く。 生きていくということはどういうことなのかということをつきつける。 だから軽い小説ではありません。 読み終わって忘れられない、忘れちゃいけないと思うものが残る。 こちらがなにかを問われているような気持ちになってきます。 だからそれをよしとしない人には向かない。 彼の小説をきらいだと表明する人も多いのです。 試みに彼の名前をblogで検索したらあるblogerの方の書評がすぐ出てきました。 少し引用させていただくと、 「ビミョーなかんじ、・・・昭和くさい。」 「べつにきらいじゃないが、それほど好きでもない。読んで何かが残るわけでもない。」 「登場人物をつぎつぎに死なせるのはいただけない。死は(中略)盛り込みすぎると稚拙な構成としか映らない。」 感じ方は人それぞれだし、自由だし、他人がどんな感じ方をしようが、それはまず認めなきゃならない。 こう感じるべきだというのはファシズムです。 このかたの感想についてはこんなことを思います。 このひとは物語の中に入り込めなかったからつまらなかったんだな。 こんなことあるかあ、こんなヤツいるかあと最後まで批評しちゃったんだ。 このひとに対しては、この小説は説得力を持たなかった。 しかしぼくにとって、あるいは彼を好む多くの読者にとっては、この小説は傑作なのだし、 書き手は書く内容について最大限の配慮をしつつも、最終的には読み手の感じ方に責任を負うことはできません。 あたりまえといえばあたりまえのこと。 いいたかったのはこんなことでした。 白石一文という作家は、一作ごとにチャレンジや修正はありますが、 だれにどんな評価をされようと、自分の書き方をつらぬくひとです。 ぼくはそこに深く共感しています。
by kobo-tan
| 2010-06-10 14:52
| ものがたり
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