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つくりものがたり

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2013年 01月 24日

永遠と一日





あなたがもし10分間、煩わしいすべてのものを忘れて、画面に集中することができるなら、どうぞ上の動画をフルスクリーンにして見てください。
それはおそらく、なにものにも代えがたい10分間になるはずです。台詞は少ないですが、字幕はたぶんイタリア語なので、
ギリシア語とイタリア語の知識がない人にはわからないと思います。言葉がわからなくても、いやむしろ、わからない方が、
いろいろなことを想像することができて、ぼくは面白かった。


初老の男と少年は、親子なのでしょうか?そうでなかったら、どういう関係なのだろう。
やって来たバスに、思いついたように飛び乗ったふたりが、バスの中で目にするものは、なんていうんだろう、
或る、人生の輝き、そういうものに満ちています。


バスの窓から見える船の灯り。
同伴して走る自転車。
無愛想な車掌。
デモをしていたらしき赤旗の学生。
政治には関心のなさそうなあまりうまくいっていないカップル。
三人の音楽隊。
束の間の時間、そこでさまざまな人生が交差する。
それは眺めているだけで、なんとおもしろいことだろう。
人間はじつに、それぞれの個有の物語をもって生きていることか。


これは、ギリシャの映画監督、テオ・アンゲロプロスの「永遠と一日」という映画の一部分です。
調べれば、あらすじや、男と少年の関係もわかりますが今は書きません。
アンゲロプロスは、たくさんの素晴らしい映画を残して、昨年、76歳で亡くなりました。
明日1月24日は一周忌にあたります。

by kobo-tan | 2013-01-24 02:17 | 映画・ドラマ


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