2013年 07月 12日
うっかり今年は、ウインブルドンの決勝を見るのを忘れてしまった。 マレーが勝ったのだから、その優勝の瞬間と、スピーチだけは見たいと思って探していたら、やっと今日見ることができた。 ほんとうにこの人は正直というか嘘がないというか… 試合本編は見逃したけれども、この優勝の瞬間とその後の数分間は何度見ても清々しくていい。 自分の夢と、イギリスのひとたちの夢が完全に一致していて、それをプレッシャーに感じるより自分の栄養にして、 がむしゃらにひたすらがんばって、とうとう夢を実現した裸の心を持った青年。 そして、興奮冷めやらぬ間に静かにすぐはじまる表彰式。 こんなセレモニーは、日本人には逆立ちしてもできっこない。どうしてだろう。「タテマエとホンネ」の文化でなく、「ホンネとユーモア」の文化だからだろうか? そして、マレーのスピーチ。 涙にくれた去年とは違って、今年のスピーチはなんとユーモラスなことだろう。三つのマッチポイントを逃したこともおぼえてないなんて、 言うことが気が効いている。 夢を実現した喜びばかり強調しないで、すぐ試合を振り返ってこんなユーモアが言える、そして多くのイギリス人も、 そういう言葉を待っている。お世辞ではなく敗者の健闘をたたえることも忘れない。すべての言葉が自然だ。 そんな言葉にはさまれるコーチ(イワン・レンドル!)やお母さんに対する感謝の言葉がいっそう心のこもったものに感じられる。 それに、短くてもしっかりと言葉を引き出す、インタビュアーのあたたかさとうまさ。 錦織圭くんも、実力という意味でなく人間性という意味で、ここまで来ることはできないだろう。この洗練はイギリスという国の文化でもあるだろうから。 日本人が、こういう選手とこんなセレモニーを持つことのできる日は来るだろうか。 ま、くやしいけど、それはムリだな。 それは、文化の質の違い、というよりもやっぱり、民度の差、というところが大きい。 庶民と富裕層、インテリかそうでないか、にかかわらず、自分の言葉を持ってる人たちの国でないとそれは無理だって思います。
by kobo-tan
| 2013-07-12 22:13
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