2013年 08月 06日
仕事を仕舞ってから少しずつネットで見ていた2年前のドラマ「それでも、生きてゆく」を、昨日見終わった。 重い主題。 一線を二度まで踏み越えてしまう青年の引き起こす嵐に翻弄され続ける二つの家族と、 加害者の妹と被害者の兄の間に生れてゆく心の絆を描く。 テレビでこんなにも集中させられてしまうドラマはそうあるものではない。 ひとつのシーンをじっくりと時間をかけてつくり上げてゆく脚本・演出も立派だけれど、 これはもう役者のドラマというよりほかはない。 大竹しのぶは貫録、瑛太は善戦、ほかの役者もみな集中度高く素晴らしいけれど、 ぼくはただひたすら満島ひかりが見たかった。 そんなやつはいないよ、という見方がある。 また、こういう人間もいるかもしれない、という見方がある。 どちらの見方をするかは見る方の性格や気分にかかっているともいえるが、 どちらの見方が世界をより豊かにし、広げてくれるか。 フィクションであるドラマは、どれだけ多くの人に、こういう人間もいるかもしれないと思わせることができるか、 そこにその成否がかかっていると言える。 少し大げさに言うと、満島ひかりは、演じるというより、役を生きようとしている。 そうすることで、遠山双葉という人物をこの世界に生れさせようとしている。 そういう気迫を感じる。 それだから、こちらに批評する暇を与えない。 何も考える余裕もなく見続けてしまうのだ。 最終話。 遠山双葉は、深見洋貴とともに暮らしていくことができないわけをこんなふうに言った。 なんであなたが背負うんですか? あなたが、引き受ける理由、ないでしょ? こんなふうに言って、そういう未来を選んでしまう人間は確かにいる。げんに遠山双葉がここにいるから。 満島ひかりは役を生きる。わたしが、生きているのだから、双葉はいる。 その気迫は半端な批評を許さない。 最終話はここです。 第一話からすべて見ることができます。
by kobo-tan
| 2013-08-06 19:45
| 映画・ドラマ
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