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2014年 04月 29日

「嫌われる勇気」




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Facebookへの投稿より…


まれに、この本はまさに自分の(私の)ために書かれたんじゃないかと思うような本に出会うことがある。そういう本はほんの数ページ読めばすぐわかる。そういう時、ぼくは狂喜し、マーカーで線を引きまくり、思いついた言葉を書きこみ、しばらく没頭して読み終える。

岸見一郎氏と古賀史健氏の共著であるこの「嫌われる勇気」もそういう本だった。いま1/3ほど読んだけれどもこの確信は変わらない。なにが書いてあるか、それを一言で言うなら「生きるとはどういうことか」ということなのである。

考えてみると僕は、いつもこういう本を欲していたような気がする。これと同じようなレベルで出会ってきた本は、今でも忘れずに列挙できる。もちろんそれをほんとうに理解し解釈したのかどうかは、常に「自分なりに」という留保がつくのだけれど、10代の後半で出会ったサルトル著・伊吹武彦訳「実存主義とは何か」 そこにはこんなことが書かれていた。

「人間はみずからつくるところ以外の何物でもない。(中略)すなわち人間はまず、未来に向かってみずからを投げるものであり、(中略)人間は何よりも先に、みずからかくあろうと投企したところのものになるのである」

30代前半に読んだ竹田青嗣著「『自分』を生きるための思想入門」では、ニーチェの「ルサンチマン」という考え方を知った。sentiment(感情)という言葉に、re(後ろへ)という接頭辞がついたフランス語で、「後ろ向きの感情」という意味感覚の言葉だ。今手元にこの本がないのでwikipediaの説明を引用するとこういうことになる。

「ルサンチマンを持つ人は非常に受け身で、無力で、フラストレーションを溜めた状態にある。つまり、実際の行動をとるには社会的な制約があり、自身の無力を痛感している人である。そういう状態にあっては誰であっても、ルサンチマンを持つ状態に陥る。(中略)
社会的な弱者はルサンチマンから逃れられない。フラストレーションをむしろ肯定し、何もできないことを正当化するようになる。社会的な価値感を否定したり、反転した解釈を行うようになる。こういった自分の陥っている状態を正当化しようとする願望こそ、奴隷精神の最大の特徴である」

40代の後半に出会った池田晶子の「14歳からの哲学」は、ひたすら、「悩むな!考えろ!」と訴えてくる。http://www.amazon.co.jp/14歳からの哲学-考えるための教科書-池田-晶子/dp/4901510142
Amazonのこの本のページにある91件のカスタマーレビューの一番はじめに、「必ず立ち戻る場所」という僕の書いた感想が載っている。

そして今出会ったのが、この「嫌われる勇気」という本なのである。
こういう本に僕が出会ってしまうのはなぜかと考えると、これまで自分は、実にその時々の成り行きと感情に任せて、行き当たりばったりに生きてきたのであって、「ほんとうに」「ほんらいあるべきありかたで」生きて来たのではなかったという忸怩たる思いにいつもとらわれるからなのだ。それははっきりしている。そういう欠如とか空虚の感覚が自分の中にあり、その感覚がこれらの本に強く結び付くのだ。だからこれらの本から読みとった考え方や態度は、おそらく無意識のうちに確実に、自分の世界観や人生観の核になっている。

仕事に追われ、生活に追われ、年月がたち、「現実」というやつに負けそうになってまた、「生きる」ということはどういうことであったのか忘れそうになると、「忘れるな」と言ってくれる本に出会う。自分という存在は、気付いたときは、ほかでもないここに、こういうあり方で、こういう者として、あった。それ自体は動かし難い。しかし、その後の人生は、自分でつくってゆくものである。誰が何と言おうとそうである。それが「自由」ということなのだ。そしてそのためには、「勇気」が必要なのである。ルサンチマンに陥らないためにも、自分の人生の不足をなにか他のもののせいにしないためにも。自分の人生を自分のものとするためにも、それが必要なのである。

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by kobo-tan | 2014-04-29 14:43 | ものがたり | Comments(0)
2014年 04月 25日

キッチンバックカウンター抽斗収納



インフルエンザにかかって取り付けを1週間延ばしてもらったキッチン収納家具。
メインの抽斗収納がやっと完成。

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たくさん入りますよ。
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by kobo-tan | 2014-04-25 01:56 | 製作例 | Comments(0)
2014年 04月 14日

巨大アートの取り付け




Facebookに掲載したものです。



一昨年のリフォームの時に収納家具をつくらせていただいた鎌倉の和田さんから、ご主人の作品を壁に取り付けてもらえないかというご依頼で、家具ならぬ美術作品の取り付けをやってきた。作品は2007年に急逝された美術家和田守弘氏のものでとにかくでっかくて重い。ひとつは2300×910×180の真鍮板でできたキャンバスに描かれた4枚の連作「書物の水」。さすがに4枚は無理で、自宅ギャラリーの片側の壁に3枚プラス白い石膏のオブジェを取り付けた。もう片方には「無題」と題された油絵2000×2000(2枚分割)。芯が450ピッチにしか入っていない普通のお宅の壁に、地震の時に前に倒れてこないようにきっちり取り付けるのはことのほか難しく、大きくかつ重いため旧知の舞踏家、秀島実氏に取り付けを手伝ってもらったにもかかわらず、朝9時から昼食抜きで2時までかかってしまった。壁の上の方を見ながらの作業も多くへとへとになったけれど、終わってみれば奥様の弥生さんのイメージ通りにできたようで、とても喜んでもらえてよかったです。
— 秀島実さんと一緒です。 (写真4枚)



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秀島さんの見立てによると、和田氏の作風は琳派の影響が強いそうです。青の部分は川であると。僕の見立てでは白いオブジェは大天使ミカエル。ー この写真に写っている友達: 秀島実



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by kobo-tan | 2014-04-14 21:43 | ものがたり | Comments(0)
2014年 04月 02日

オルケストラ再び!?



お久しぶりでございます。
2月初めからなんだか続く仕事に追われて、更新する余裕がなくて。
写真は少なからず撮り置きしてはあったのですが。
またぼちぼち始めます。

とりあえず今日は、またフロントロードに挑戦か?というお話。FBに載せた件です。


もう8~9年の付き合いになるヴィンテージオーディオショップオーナーの大澤さんから電話で、「またフロントロードの引き合いが来てさ、一回は断ったんだけどね、いくらならできる?ってしつこく聞かれるもんでね、またあれ、作ってくんないかなあ」写真の箱型の、前にぱっくり口のあいたスピーカーのことなのだ。大澤さんと付き合い始めてまず取り組んだ複雑怪奇な代物である。ワンペアを7~8回作ったろうか。いちばん最後につくったのが2007年か2008年だからやがて6年くらいたつ。その後大澤さんの音の追究はスピーカをくるむ箱そのものを厭って驚くほどシンプルなドーナツ型の平面スピーカーに移行していったのでこの難物をつくることはなくなっていた。なんせこのフロントロードというやつ、ドイツ製の年代物のヴィンテージスピーカーが箱の床にすれすれのところに傾いて下を向いてついており、その音が箱の地板から背中をぐるっと回って前に抜けてくるのである。うーん、悩むなぁ。ベニヤ板に原寸で描いた正面図と側面図は残っているけれど、思い出せるだろうか、その精妙な作りを。また定期的に作るのならまだしも、これ一度きりだとつらいなあ。一人じゃ抱えられないほど重くなる、メープルに15mm厚のフィンランドバーチの鏡板をかませた框作り。正面はなだらかな曲面になる。また挑戦してみるっぺかなぁ。うーん、思案のしどころ


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by kobo-tan | 2014-04-02 21:31 | ものがたり | Comments(0)