つくりものがたり

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2015年 01月 28日

無題








森麻季の日本の歌のCDの最後に「たんぽぽの歌」という曲が入っていて、このところ、工場でそのCDをよく
かけていたものだから、車を運転してるときなどにそのメロディーがふと頭に浮かんだりした。
フォスターの「金髪のジェニー」という曲で、それに新たに小山薫堂が歌詞をつけたのが「たんぽぽの歌」。
伴奏のピアノも上の「ジェニーへのオマージュ」を弾いている盲目のピアニスト、辻井伸行が弾いている。
間奏部分のアルペジオのなんと美しいことか。


家具の大作が仕上がったら写真を載せるだけでブログが書けるのだけど、イマイさんの大作はまだもう少し
かかり、途中に急ぎの仕事をいくつか細切れにやったけどわざわざお見せするほどのものでもなく、年末から
今年にかけて何冊か読んだ本のことなど書こうとも思ったけれど書き始めるとまた長くなりそうで、とりあえず
昨日の夜NHKの「クローズアップ現代」で放送された「いまを生きる言葉~詩人 吉野弘の世界」についてFB
に書いたことをこちらにも転載します。


クローズアップ現代「いまを生きる言葉~詩人 吉野弘の世界」


昨年亡くなられた吉野弘さんの詩が静かなブームなのだそうだ。
マスコミはすぐ「ブーム」と言いたがるけれど、吉野さんの詩はたぶん何十年も前からずーっと同じように、心ある人たちに読まれ続けてきたはずだ。
ご自分の言葉がきちんと「伝わる」ことにだれよりも心を砕いておられた詩人だから。
山田太一さんのことば、「電車で席を譲る少女の悩み、悲しさ、それもちゃんと詩になさっていて、自分も生活者なのだと、それをわすれて美に走ってはいけない、観念に走ってはいけない、というふうに思ってらっしゃったんではないか」

この度ご遺族が見つけられた吉野さんの若き日の「決意」
「他人の行為を軽々しく批判せぬことです。
自分の好悪の感情で、人を批判せぬことです。
善悪のいずれか一方に、その人を押しこめないことです。」

この最後の一行がぼくには心に沁みる。
みんながこのことを忘れないで生きていけたらどんなに…



読んだ本のこと、それについて考えたこと、また、吉野さんの詩のもっと細かいことについても書きたいとも思
うのですが、仕事のこと、経済のことに気が急き後ろ髪を引かれなかなか腰を落ち着けて書くということができ
ません。これから年度末でどんどん忙しくなりますし、またそうなってくれないと困るし、確定申告と納税もある。
イマイさんの大作が仕上がったら写真また載せます。
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by kobo-tan | 2015-01-28 14:42 | つぶやき | Comments(0)
2015年 01月 10日

アイロンは使える


(今回はちょっと同業者向け)

いま。フリーハンドイマイさんから依頼のたっぷりした家具をつくっているんですが…

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これは、下がL型の扉や引き戸や抽斗の収納で、正面上は扉とオープンの収納。

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こちらは、上が上下の引き戸と小オープン棚、下が抽斗の、たっぷりの食器棚。

箱の単体だけで考えても9個あるので、これだけ分量があると普通はいくつかの部分に分けてつくっていくんだけど、引き戸の加工とか前小口に無垢材を貼る加工とか重なるところもあったので、ためしに全部を一気に進めてみようかと、年末から芯組みをやりはじめました。

ま、その理由の一番は、表面材がナラの突き板で、3×6版、3×7版の定尺から上手く効率的に取ってゆくためにどうしても「パズル」をやらなくてないけなくて、最初にそれをうまく振り分けて切っていって、芯組みに練りつけていかなければならず、そのためには結局、最初に全ての家具のことをを考えてやらなきゃならないのだったら、そのまま同時進行でやっちゃえ、ということなのです。

でも、言うは簡単ですが、練り終わったパネルを数えると、大小取り混ぜて84枚だかありました。

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これに写ってないのもまだたくさん。

いわゆる「数もの」で同形の家具10個とか、そういう時はすぐパーツが100超えたりしますが、それは種類が決まっていて把握しやすい。
こういうふうに普通の壁面収納家具を(パーツは、種類大きさバラバラ)、3週間以上かかるような大ものを一気につくるなんて初めてかもしれない。

間違えなければいいんだけど。
と、極力注意しながらやっているんですけど、ひとつ、これは見落とした、というのがあった。

食器棚下台の大きな抽斗の、右の側板だけがインセットになるところがあって、そこは、前のほうにナラの突き板を細く貼り分けておかないと、上と下の抽斗前板の間の3mmのクリアランス部分から、色の白いシナが覗いてしまい、ちょっとな、かっこわるい。
ま、微々たることではあるんですけど。

修正することにしました。

<ボンドをつけてプレス接着した表面材をアイロンではがす>
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まず、トリマーで貼り分けたい境目に深さ3mmの切れ目を入れる。
(真中にスライドテーブル抽斗がきてその上はオープンなので、上半分にはナラが貼ってある)

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端っこの貼り替えたいシナの突き板の上にアイロンを当ててじっくり熱を加える。

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端にカッターを差し込むと少しはがれてくる。

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引き続きアイロンを当てながら、少しずつはがしてゆく

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はがれました。

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同じ3mmのナラの突き板をピッタリと糊付けしてプレス。

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リカバリー完了。

こういうトリビアな知識は3年も街場のごく普通の造作家具屋さんで働いてると身につくものですが、無垢家具系の工房の人とか、訓練校を出ていきなり独立しちゃった人とかはけっこう知らなかったりして、へーそうなの?なんてびっくりされますね。

これ、はがすのにけっこう時間がかかるので、パネル一枚全部はがすより作り直した方が早いので、そんなにめったにやる方法ではないのですけど、
今回みたいに細いとこだけだとすぐできるので、ちょっと覚えておくといいかも。

ボンドで接着してしっかりくっついているものがなぜアイロンの熱ではがれるのか、その理屈はよくわかりません。
たとえばハネムーンボンド(二液性の瞬間接着タイプの白ボンド)で突き板テープを貼ったりしたときに、つきが悪くはがれかかっているところは、アイロンで熱を加えると逆にくっつきます。
接着剤ってよくわからないところがいっぱいある。
不思議です。
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by kobo-tan | 2015-01-10 14:10 | 製作過程 | Comments(2)
2015年 01月 08日

コーヒーサーバー!





森さんからのメール。

「師匠、取り付けました!
 ボルトを新調して切り落としたり長さ調整に難儀しました。
 やっぱり手づくりはよろしいですなあ!!!
 一生物ですね、ありがとう。」



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by kobo-tan | 2015-01-08 15:28 | minimal thing | Comments(2)
2015年 01月 08日

久里浜のフレンチレストラン、ビストロ ジェファン



去年の12月、ストレートワークスの生涯デザイナー、勝野明正さん設計のフレンチレストランのカウンターやテーブル、什器などを手掛けました。
京急久里浜駅東口を出てすぐの路地にある、ビストロ ジェファンというお店。


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店内はこんな感じ。
タイルや壁紙の「白」と、什器、建具、テーブルの脚などの「黒」、それに、カウンターやテーブル、天上のルーバーなどの「茶」の三色が程良く配置されていて、なかなかにスタイリッシュ。いつもはデザイナーと言うよりも、そのエネルギッシュな仕事ぶりから、現場監督さんのイメージのほうが強い勝野さんだけど、こうやって出来上がったお店を見せてもらうと、ああ、やっぱりデザイナーだったんだ、と再認識いたします。


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この大きなカウンターが大変だった…
奥行き600mm、総長さ4500mm、厚みが50mmもあるのです。材料はビーチ(ブナ)材。堅くて重い。二分割ジョイントですが、半分の2250mmでも、とても一人では抱えられない。工場での仕上げの作業は須藤くんに来てもらって二人でやりました。


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テーブルもビーチ材。
今回のメイン材料は、アットホームな洋食屋さんというイメージから、なるべく赤味のある暖かい感じの木でということで、この材にしました。テーブルには、ワトコオイルのミディアムウォ―ルナットを塗って古びを出した感じに。


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下の小さな丸板でちょうどいい高さになるよう調節しています。
この堅くて分厚いビーチ材を円にくり抜くのはたいへんだった!

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カウンターの下には重いビーチ材を支える役割もある黒い小物入れボックス。

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カトラリーボックスとウェスタンドア(自在扉)の「黒」

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ホワイトアッシュ材のワイングラス棚。

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レッドシダー材で扉を作った食器棚。

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玄関ドアもビーチ材で。

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真鍮のフランス丁番。

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サッシ枠も全てビーチ材を削って作り、現場大工さんに取り付けてもらいました。

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駅のほうから来ると、赤く愛らしい、「bistro Jai Faim」と書かれた丸い看板が目印です。
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by kobo-tan | 2015-01-08 00:35 | 製作例 | Comments(6)
2015年 01月 05日

ウォ―ルナットのコーヒーサーバーの取っ手


皆様、あけましておめでとうございます。


昨年は秋口から仕事がダダだっと重なり、なかなかブログ更新する余裕がなくて、FBにはちょこちょこ写真載せたりしましたが、
ブログのほうはちょっとサボってしまいました。こっちのほうをたびたび開いてくださった方、ごめんなさい。
またいろんなこと載せていこうと思いますので、よろしくお願いします。


ということで、今日は小さくてかわいいもの。
鎌倉の設計士の森さんからのリクエストで拵えた、コーヒーサーバ―の取っ手。

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ウォ―ルナットです。
これ、作ったのはぼくではなくて、木工旋盤を持ってる須藤くんに作ってもらいました。ぼくは旋盤持ってないので。

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やっぱりこれをきれいに作るには、旋盤がないと無理。真中が膨らんでるしね。
しかもセンターに6Φの穴が貫通してる。長さは150mmあるのでけっこう難しいです。

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オイル塗って濡れ色になったらけっこういい感じになるでしょうね。なのでその楽しみは森さんに差し上げることにして、
これは無塗装で届けます。明後日、鎌倉に行く用事があるので、森さん、そのときに。
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by kobo-tan | 2015-01-05 01:47 | minimal thing | Comments(2)