つくりものがたり

kobotan.exblog.jp
ブログトップ
2015年 08月 21日

これからオイルフィニッシュ




定番の「森さんテーブル」、ひとまず完成。 これから来週末の納品まで、オイルを塗り重ね、磨きます。


d0169209_1122896.jpg


d0169209_11223468.jpg



こんな危険なことも、「震えながら」やってます。
手伝いに入ってくれた天野くんが撮ってくれました。

d0169209_1124346.jpg

[PR]

# by kobo-tan | 2015-08-21 11:26 | 製作過程 | Comments(0)
2015年 08月 18日

もうしばらくお待ちください!




突然ですが、鎌倉のSさんから頼まれている自艇ヨットのコックピットテーブル。
とうに本体部分は出来ているんですけども…


d0169209_9585349.jpg



8月に入ってからいつも仕事をもらってる現場監督さんや同業家具屋さんからの店舗や新築住宅の納期の厳しい仕事がどんどん決まってきて、完全に重なってきてしまい、いつも手伝ってくれる仲間もなぜかみんな忙しくふさがっており、毎日のノルマをこなすのでいっぱいいっぱいの状態で、いまちょっと、このチークテーブルに手を出せずにいます。


各パーツはあらかた出来てますので、あとは細かい加工と取り付けなのですが、たとえば、


d0169209_1014129.jpg


このミシン丁番。
これはもちろん実験サンプル。
もう20年近く家具作りやってますが、初めて使う金物で、家具金物は一社で扱ってる金物が電話帳3冊分くらいあったりするのでこういうことはままあり、これをきれいに平らになるように折り畳み天板に組み込むのに、まず、


d0169209_1020156.jpg


こういう型を2種類作らなければならなくて、
そうして慎重に溝を掘り、サンプル板取り付けて動かしてみても動かず、


d0169209_10242822.jpg


こういうふうに正常に動くためには、板と板の支点になっているところの角を、2.5Rほど面取りしなくてはならないということを突き止め、(こういうことはカタログには書いていない) 


d0169209_10274859.jpg


折った時の小口もきれいに納まってることを確かめ、
さあこれで、よし、チークに取りかかれるぞというところまで3~4時間。

作ったことのないものを、しかもチークの高級材で、初めての金物を使いながら作るとは、こんな遅々とした進み方にならざるをえないんです。


d0169209_10321341.jpg


つぎはここから。
天板はすでに角の150Rも取って、取り付ける6枚のミシン丁番のスミもしてありますが、ここは一番目立つところ。失敗は許されません。
この150Rを取るのにしても、150Rの型がなかったので、型作りからはじまって、この4つのRを取るのに何度も何度もトリマーを動かして、かなり時間がかかりました。(それがいちばん確実できれいなアールになるので仕方ない)


d0169209_10382228.jpg


この美しいチーク材で、いちばん美しい木目が最も効果的に現れるように木取をし、配置を考えながらやっています。
時間がないからとたったかたったか進めるなんてちょっとできません。失敗はできません。

真夏の航海には間に合いませんでしたが、もうちょっと涼しくなるまで、もう少し待ってください。
これ、一人親方工房の宿命かと思います。
すみませんが、よろしくお願いします。
[PR]

# by kobo-tan | 2015-08-18 10:11 | 製作過程 | Comments(0)
2015年 06月 02日

ナラ板脚テーブル 

お久しぶりです。
3月4月と忙しさが続いて更新するどころでなくなり、またブログから遠のいてしまいました。
設計の森さんから、このテーブルは作ってるところもちょっと詳しくのっけてねと頼まれていたのに、今になって申し訳ありません。
かたちと全体のバランスなど、森さんスタイルと言ってもいいナラ板脚のテーブルです。


d0169209_13581570.jpg

まず、これが図面。


<木取り ~ 加工>

d0169209_1132947.jpg

テーブル、もちろんすべてナラの無垢材ですから、まず材料削りから。
無垢家具の加工はここからここから始まります。

ていうか、その前に、材料屋から送られてきた無垢材の厚み、幅、長さ、木目の良しあしと向き不向きを考えて、
この部分を脚に使おうとか、この残りを横桟にとか、これは天板とか、それをまず決めて、大まかに長さと幅を切っておきます。
それを「木取り」と言って、実はここが最初の最重要ポイントで、どんな材で、どんな家具ができるか、だいたいのところが決まってきます。
だからこの時に、材料を余裕を持って多めに用意しないと、「適材適所」がイメージ通りにいきません。
無垢材は自然のものですから、同じ樹種でも色合いや木目の感じはそれぞれに違いますから、それをどういうふうに組み合わせて作るか、
そのへんからはもう設計の領域というよりも作り手のセンスと判断領域で、ぼくら作り手がそれぞれ持っている「基準」に沿って作っていくということになります。

無難に無難にと、こぎれいな色合いと木目でそろえ過ぎると、全体はきれいなんだけど、ちょっと突き板みたいで、
せっかくの無垢のおもしろさがないとか、力強さ、野性味に欠けるとか、判断が分かれるところをひとつずつ決めていくので、いちばん悩ましいところでもあります。
でもここできちんと悩んでおかないと、でき上がった家具に説得力がなくなるのです。
自分はこう思い、こう判断して作ったということを、お客さんにも設計士さんにもはっきり言えることが大切だと思っています。


話、くどいですね。
先、行きましょう。


d0169209_11402631.jpg

手押しカンナ盤で2面を平らに削ったらそこに鉛筆で墨、もう2面を、幅を出せる自動カンナ盤で削って厚みと幅を決めていきます。


d0169209_11573763.jpg

たとえばこれは、2枚の板脚をつなぐ「」の先っぽ。
この細くしたところを、板脚に開けた穴に入れて、さらにこれからこの細い先っぽに穴を開けて、そこに「込み栓」というテーパーをつけた角棒を嵌めてしっかりと留めます。
無垢のテーブルはとても重いので、天板、板脚と部材を組み立て、分解できるようにするための加工です。


d0169209_12105811.jpg

これはホゾ取り盤という機械で、上と下に幅70mmの大きなカッターがついていて、材の上と下を一気にに削って、先程のようなホゾ先の加工に使います。


d0169209_12212291.jpg

角ノミという機械で、「込み栓」を通す穴を開けます。

d0169209_12363341.jpg

テーパーのついた込み栓がビシッと納まるように、穴にも同じテーパーをつけるために角度をつけて掘ります。


d0169209_12395526.jpg

板脚のほうに開ける穴は、型を使って倣い加工ビットで開けます。

d0169209_12415691.jpg

四隅はノミを使って、完全直角になるようにピシッと穴を開けます。


d0169209_12435422.jpg

板脚と天板の接合は、「カチット」という金物を使います。
天板の裏に太いスクリュービスをねじ込んでおいて、この金物を板脚をゲンノウでたたきながら嵌めこんでいくと、
ピタッと吸いつき、しかも、天板の収縮にも、フレキシブルに対応する金物です。
木の収縮は、幅方向で最大1/100動く可能性がありますから、幅900mmの天板では、9mm動く可能性があります。それに対応できる金物です。


d0169209_1385054.jpg

今回、板脚の木口にゆるいアールをつけてほしいという注文でしたので、テーブルエッジビットを使って、アールをつけます。

d0169209_13123685.jpg

こんな感じです。



<千切り>
今回はまた、天板に「千切り」(契り)をつけてほしいということでしたので、その加工の一部始終。

d0169209_1323118.jpg

まず、ウォ―ルナットの薄板を切り出します。

d0169209_143639.jpg

昇降盤を傾けて、千切りの角度を切りだす。

d0169209_1453819.jpg

6枚+予備1枚の7枚を作る。

d0169209_14201053.jpg

接ぎ加工を終えた天板の、千切りを入れる位置に墨をする。

ここで「千切り」について…
千切りは、機能的には材と材の接ぎ目が切れないように、また、材にすでに入ってしまっているヒビや割れのところに嵌めて、
これ以上割れが進行しないようにするためのものですが、形がこのように可愛いので、天板のワンポイントとして意匠的な意味でも使われていて、
木の接着には、今は二液性の強力なPIボンドというのを使うので、むしろ意匠的な意味合いのほうが大きいと言えます。

d0169209_14223860.jpg

千切りの辺にピタッと沿うような型を作る。

d0169209_14233783.jpg

天板にクランプでしっかりと留める。

d0169209_14244783.jpg

倣い加工のトリマービットを使って掘っていく。

d0169209_1426914.jpg

こんなふうに掘れたら、4つの角をノミで切り取っていく。
これを6回繰り返す。

d0169209_1428863.jpg

それぞれの穴に千切りがぴったりとはまるように、千切りに下側をペーパーで擦って、
千切りが2/3ほど埋まるくらいに調整する。
あとは、当て木を当てがって叩き込み、最後は出っ張りをカンナで削って完全に平にする。
これを6回繰り返す。

千切りの作業は、天板の一番目立つところでもあるので、完全にピッタリとたいらに埋まっていないとダメです。失敗は許されない。
もしここで酷い失敗をしたら、最悪の場合、天板の作り直しです。ですので、慎重に丁寧に、確認を繰り返しながら進めていきます。だからとても時間がかかります。
このテーブルの製作の中でいちばん気を使うのは、テーブル本体ではなく、なくても支障のないこの千切りの加工だというところがちょっと皮肉なところです。



<素地調整 ~ 仮組み ~ 塗装 ~ 組立>

d0169209_14493832.jpg

天板にはカンナをかけますが、ナラ材はこれだけの面積になると木目もうねっていて逆目も多く、なかなかカンナだけでは仕上げるのが難しいので、
ペーパーの120番~180番~240番の順にサンダーと手を使って塗装のための素地調整をします。

d0169209_14545872.jpg

これは一番荒い120番。出る粉もすごいです。

d0169209_14555831.jpg

塗装はオスモのノーマルクリア―・ウッドワックスを使ったオイルフィニッシュ。
天板は最低3回葉塗り重ねるので、仮組み前に一度塗っておきます。

d0169209_14575234.jpg

こんな感じ。


d0169209_14591835.jpg

脚も素地調整。

d0169209_150767.jpg

脚を立てて、

d0169209_1503168.jpg

仮組み。

d0169209_1512629.jpg

込み栓を叩きこんで、ちょうど頃合いの位置で、余分な長さを切り、調えます。

d0169209_1572932.jpg

込み栓は、左右それぞれ、ナラ材と、ちょっとワンポイントにウォ―ルナット材のも、サービスで作りました。

d0169209_1575817.jpg

天板を裏返し、カチットをきかせて接合。
縦長の貫と真中の横桟には天板に密着するようにステンレスビスを使います。
縦の貫は木目方向なのでほとんど収縮はなく問題ないのですが、横桟は幅方向であり、収縮を妨げるので、
ビス穴にこんな加工をします。

d0169209_15162541.jpg

ビス穴をがた穴にして、ビスが動けるようにしておきます。

d0169209_1519263.jpg

d0169209_15191586.jpg

d0169209_15192949.jpg

完成形です。
これからまたばらして、オイルを塗り重ねてでき上がりです。


<納品>

納品は引っ越し前で、オーナーさんはいらっしゃらなかったので、ひっそりと置いてきました。
d0169209_15241356.jpg


d0169209_15245598.jpg

お、このイケメンは・・・
設計の森さんでした。
おれよりひとつ上なのに髪黒々。

d0169209_15274131.jpg

それにひきかえ完全なるおじさんの製作者でやんス。

d0169209_15311443.jpg

d0169209_15313033.jpg

ご注文いただいた中澤さんにはとても喜んでいただいたようで、ありがとうございました。
ブログ掲載がおそくなりまして本当に申し訳ありませんでした。
お使いのテーブルの製作の経緯を、これでなんとなくお分かりいただけたとしたら、とてもうれしいです。
[PR]

# by kobo-tan | 2015-06-02 12:59 | 製作過程 | Comments(0)
2015年 03月 15日

ナラ材の壁面収納 納まりました。




2月12日と13日に掲載したナラ材の壁面収納が、きれいに納まりました。
うれしい。


d0169209_0125884.jpg



d0169209_0133952.jpg

[PR]

# by kobo-tan | 2015-03-15 00:15 | 製作例 | Comments(0)
2015年 03月 05日

メディアの権力





FBからの転載。




ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんに、まったく同感。
平和国家の道を維持するのか、欧米列強十字軍の仲間に入れてもらおうとするのか、戦後最大の転換点にあるこの時に、最大の平和ボケはマスメディア。高給取りマスコミ人種は、みなサラリーマンになったのか?その方が売れるからと、連戦連勝の記事ばかり載せ続けた、昭和10年代の新聞とどこがちがうのか?
マスコミで働く人たち、あなた方はサラリーマンであってはダメ。自らの責任の重さを自覚せよ。



1980年代にデビッド・ハルバースタムの「メディアの権力」って本がありました。メディアに携わっている人たちは、ネットが普及した今日でも、やはりある特権を持っている人たちで、それは人心を操作できるという「権力」を持っているということなんです。ぼくの知っているマスコミの人はいい人だけれど、権力は常に批判にさらされなければならない、そしてそれに応えなければならない、と思います。




<NYタイムズ東京支局長のインタビュー記事より>

過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件で2人が殺害されてから1カ月が過ぎた。
テロを含めた国際情勢にどう向き合っていくのか-。米有力紙ニューヨーク・タイムズ東京支局長の
マーティン・ファクラーさんは、日本が重大な局面を迎えているにもかかわらずさほど論議が
交わされていないことが不思議でならない。その背景にメディアが機能していないことを指摘する。

■「列強」への道
日本はいま、重大な局面を迎えています。平和主義を守り続けるのか、米国や英国のように
「列強」としての道を歩むのか。その判断を突きつけられたのが、今回の事件だったのです。

安倍首相が望んでいるのは後者です。かねて「積極的平和主義」を掲げ、米国の有力な同盟国として、
国際社会の一員として、役割を果たすことの必要性を強調してきた。

今回の中東諸国訪問は、安倍政権の姿勢を世界に示す大きなチャンスと考えていたのでしょう。
湯川遥菜さん、後藤さんの殺害が予告された後も、安倍首相は「テロに屈しない」と強硬姿勢を崩さず、
最終的に2人は殺害されました。

私にとって、政府がテロリストとの交渉を拒んだことは、何の驚きもありませんでした。
安倍首相は今回の事件を「国民が犠牲になったが、テロリストとは交渉しなかった」と米国や英国に
アピールする材料にするつもりだろうと思っていました。

日本はこれまで「八方美人」でした。どこの国とも仲良く、その代わり、どこにも敵をつくらない姿勢を
貫いてきた。安倍首相が描く国家像は真逆です。米国との同盟を強化し、国際社会における存在感を
強めようとしている。当然、リスクは増え、敵も多くつくることになるでしょう。

国家として重大局面を迎えているにもかかわらず、なぜ日本のメディアは国民に問題提起しないので
しょうか。紙面で議論を展開しないのでしょう。国民が選択しようにも、メディアが沈黙していては
選択肢は見えてきません。

日本のメディアの報道ぶりは最悪だと思います。事件を受けての政府の対応を追及もしなければ、
批判もしない。安倍首相の子どもにでもなったつもりでしょうか。保守系新聞の読売新聞は以前から
期待などしていませんでしたが、リベラルの先頭に立ってきた朝日新聞は何をやっているのでしょう。
もはや読む価値が感じられません。

私がいま手にするのは、日刊ゲンダイ、週刊金曜日、週刊現代といった週刊誌です。
いまや週刊誌の方が、大手紙より読み応えがあるのです。

安倍政権になり、世論が右傾化したという人もいますが、私はそうは思いません。
世論はさほど変わっていないでしょう。変わったのは、メディアです。



東京支局長のマーティン・ファクラー氏
d0169209_171515.jpg
[PR]

# by kobo-tan | 2015-03-05 17:06 | 社会 | Comments(0)