つくりものがたり

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2011年 11月 22日

サンプルカウンター …出来上がるのか?

d0169209_1043812.jpg11/17  16:09

15日に作戦会議をやった大型サンプルカウンター。
ああでもない、こうでもないとなかなか製作方針が固まらなかったわけだが、この手のもので確実に言えることは、手っ取り早くすませようとしてあまり多くベタ芯(ランバー等の一枚板)を使うと重くなりすぎて持ちあがらなくなることだ。

だから面倒でも、内部の大型パネルは、芯材を削って芯組みし、フラッシュ(中空構造)にしなければならない。だから、組むときにどちらのパネルからどの向きにビスをもむかを(タテ勝ちにするかヨコ勝ちにするかを)決めていって、バカ棒にしたがって芯組みし化粧ベニヤとプレスして、まずすべてのパネル部材を準備する。これが第一段階の仕事になる。


写真は、内部をタテに貫くメインの背板をプレスしてるところ。
このプレス機、建具用の3×7サイズ(長さ2100mmまで)で、今回のような2400mm近いものは入らないので、片方を飛び出させて、出たところをクランプする。

なんともローテクだが、特注手作り家具なんてこんなものだ。



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11/20  08:43

やっと本格的に組みはじめる。引きとりの約束は21日の午前8時。今はその前日の朝8時43分。

これで間にあうのか?


なんでもっと早くやらないかと問われても、この手のものは組みはじめるまでにやっておくことがいーっぱいあるのだ。パネルを接続するための加工もいっぱいある。小さく組めるところは部分的にできている。









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たとえばこんなところ。

こちら側のビスの痕を隠すために組んでから化粧ベニヤを貼る。
それがパッパッとできるように、化粧ベニヤを両面テープで合わせた状態で、切りまわしをし、穴開け加工もやる。組むときはいったんはがし、そのあとずれないように気をつけてぴったりくっつける。

なーるほど、というようなことですが、これってけっこう難しくて、手間のかかることなんです。








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表側はこうなっている。

引きとり約束は、月曜の朝8時、このとき日曜の朝9時前。

実はこの時すでに徹夜をした。
朝4時頃家に戻り、風呂に入り、冷蔵庫にラップして入れてあるごはんと晩飯のおかずを温めなおして腹いっぱいにならないように食べ、(腹いっぱいになるとまちがいなく眠くなるので)その足で戻ってきた。



パネルの準備はすべてととのった。エンジンがかかってきた。






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11/20 16:15

天板裏の照明用掘り込み加工などもやって、夕方やっと天板が載る。














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11/20 21:47

両側板をくっつけて、パネルの接続を完了。やっと完成形になる。

これから、後ろ側(従業員側)、前側(お客さん側)、両側面、上側と、全部で5面、最後の化粧メラミンを貼ってゆく。その後に、抽斗一杯と扉一枚の加工・取付もある。

もう一瞬の躊躇も、ひとつの失敗も許されない。時間との戦いになってきた。


でも大丈夫。僕は勝負を投げてないから。明日の朝までまだ時間はある。 …あとはやるだけ。






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11/21 07:16

約束通り、カウンターは完成した。


前夜のメラミン張りは、従業員側 → 両側面 → お客さん側 → 天板 の順で貼っていったのだが、最後の天板を仕上げ終えたのが午前3時半。途中の要所要所は覚えているが、二日連続の徹夜で意識は朦朧、手順こそはずさなかったものの、記憶はとびとびで淡い。それでも出来上がったのは、人間の「慣れ」の力は侮れないということだ。頭は忘れても、手が憶えている。最初にすべて頭で考えなくても、ともかくやっていくと、次にやることが見えてくる。順番は、手が決める。

午前4時ごろから最後に残った抽斗と扉の製作をはじめ、7時頃には鍵の取り付けも終わった。






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表側はこんな感じ。

僕の場合、最後の24時間は、往々にして普段の3倍の仕事をする。
これもほんとは何とかしたいのだけど、これも性分だろうか。メリハリが効きすぎるというのもどんなものか。
師匠の下司さんはよくこう言う。頼りにしてるんだけど、出来上がるまでスリルがある、と。

あんまり、心配させないようにしなきゃ。










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大型の2tトラックに積み込まれたカウンター。

これから、元請け会社のある福島まで運ばれて、ガラス扉の取り付けと、電気の配線を終えたら、また東京に戻ってくる。



いまこの写真をながめていたら、ちょっとホロリ。
息子を送り出す父親のような気分になった。
「そんなとこに、ちんまりと乗っかってるじゃないか。
おまえはどこに置かれるんかなぁ。
これから、だいじにあつかってもらえよ。」
かなり感傷的な父である。
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by kobo-tan | 2011-11-22 12:45 | 製作過程 | Comments(0)


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